RM 47

トゥールビヨン
はじめに

サムライの時代

RM 47トゥールビヨンは、現在の日本社会にも継承される武士道の倫理模範など、歴史的な日本文化のいくつもの要素を表現しています。

それこそが、RM 47トゥールビヨンの心臓部であるサムライの甲冑に、浅野家の紋章があしらわれている理由です。

広島を発祥とするこの家元は、武士道の精神を最も見事に実証しているといえるでしょう。18世紀、赤穂藩藩主であった浅野長徳は、同時に彼の死を招いた敵を仇討し、後を追った47人の浪士の主人でもありました。



家元はそれぞれを象徴する紋章である、家紋を有します。浅野家の家紋が、6時位置にあるトゥールビヨン上に雄々しく据えられています。丸に交差した2枚の鷹の羽は戦での強さと、藩主としての権威を表しています。この紋章は、侍の兜の吹き返しにも非常に緻密に刻まれています。

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RM 47 トゥールビヨンは今までにない技巧に富んだ時計で、非常にコンパクトなキャリバーを組み込み、全て手作業で造られた甲冑を納めるスペースを確保するためにデザインを工夫しています。- その大胆なボリューム感は、まるで彫刻のような存在感を示しています。



まさに芸術と真髄の融合。日本文化への賛美をもってデザインされた新たなマスターピースです。リシャール・ミルはRM 47 トゥールビヨンの設計に約4年の歳月をかけました。このモデルはリシャール・ミルとF1の世界チャンピオンに2度輝いた経験を持つ、ブランドパートナーであり、日本の伝統文化とサムライ精神に深い思い入れを持つフェルナンド・アロンソとの忌憚ない会話から誕生しました。

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RM 47

忍耐、綿密、器用さ、そして情熱

刀とノミ、刀の刃とエングレーヴァ―の技術精度が示される堀跡、というように武具と私たちの芸術的作品の間には多数の共通点があります。

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RM 47 トゥールビヨン

キャリバーRM47

手巻きトゥールビヨンムーブメント、時針、分針



パワーリザーブ: 約72時間(± 10%)。



75本限定

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グレード5チタン製の地板とブリッジ

地板とブリッジにはグレード5チタンを使用しています。この合金は生体適合性を有し、耐腐食性に優れ、非常に高い強度を誇ることから歯車システムの機能をより円滑に作動させます。合金はチタン90%、アルミニウム6%、バナジウム4%で構成され、この組成は合金の機会への適性が高く、航空宇宙産業や自動車産業で多く使用されています。



グレーPVDコーティングとマイクロブラスト加工を施したグレード5チタンの使用により、機構全体に優れた剛性をもたらし、完全に平らな表面を実現。



スケルトン加工された地板とブリッジは厳格な各種テストを繰り返し行われ、きわめてすぐれた耐久性が確保されています。

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3Nイエローゴールド製サムライの鎧

甲冑はピエール=アラン・ロズロンによってエングレーヴィングを施された3Nイエローゴールド製の甲冑が、手巻きキャリバーRM47を保護しています。



2本の刀を手にした侍の姿に奥行きを持たせるため、トロンプ・ルイユ(だまし絵)の技法で彫刻を施し、ボリューム感を出すことが重要でした。兜の吹き返し、刀の付属品、トゥールビヨン上の2枚の鷹の羽を交差させた家紋、武士の魂を伝える面頬の表情など、細部に至るまでこだわりが満載です。サムライを構成する11の部品を制作するためには、合計16時間ものエングレーヴィングが必要となるのです。

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そして、ピエール=アラン・ロズロンの妻ヴァレリーによるマイクロペインティングが始まります。 半透明に彩色することで、並外れたエングレーヴィングワークに命が吹き込まれるのです。イエローゴールドの塗装をする際は、1度塗りでも2度塗りでもいいのですが、接着力を確保する必要があり、焼成の段階でオーブンの温度を工夫しました。塗装とエングレーヴィングが互いに引き立つようにすることが課題でもありました。例えば透明度が低いと、エングレーヴィングで得られる繊細なディテールが色で覆い隠されてしまい、逆に透明度が高すぎると、強調するはずの奥行きの効果が薄れてしまいます。

ムーブメントの特徴

- ムーブメントサイズ: 32.80 x 30.90 mm
- 厚さ: 6.80 mm
- トゥールビヨン直径: 10.90 mm
- テンプ直径: 9.12 mm
- 石数: 19
- テンプ:Glucydur製アーム2本、調整ビス4つ、慣性モーメント11.50 mg/cm2、振角53°
- 振動数: 毎時21,600振動(3 Hz)
- ゼンマイ:Nivarox®製エリンバー
- 耐衝撃性: KIF ELASTOR KE 160 B28
- 香箱真:耐錆性・耐磁性を備え、熱処理に最適なニッケルフリーのクロニファー®製(DIN x 46 Cr 13 + S)

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ケース

時計全体のデザインと製作はムーブメント、ケース、ダイアルを一体化した概念的なアプローチを示しています。

RM 47のベゼルと裏蓋にはTZPブラックセラミックスが使用されています。比重の低い(6g/cm3)は傷に強く、熱伝導率も非常に低くなっています。イットリウムで安定させたジルコニウムを95%含むTZPは粒子がより際立った完璧な仕上がりを実現します。複雑な形状をしたベゼルと裏蓋は、ダイヤモンドツールを使用した長く困難な切削と研磨作業を要します。表面にはマット仕上げが施されています。



ミドルケースには18金3Nイエローゴールドが使用されています。



3層構造のケースには、2つのニトリル製O-リングガスケットを使用し防水機能を保証。組み立てには、20本のグレード5チタン製スプラインネジと316Lステンレススティール製耐摩耗性ワッシャーが使われています。



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トルクリミテッドクラウン

-リューズは、チタン、カーボンTPT®と研磨した3Nイエローゴールドで作られており、もみじの葉がモチーフとして使われています。美と優雅さ、そして人生のはかなさを象徴するもみじは、桜が春の再生を象徴するように、秋を象徴しています。毎年11月になると、もみじは華やかな色彩を放ち、やがて枝から舞い落ちる。後に「紅葉狩り」と呼ばれるようになったこの光景を、1000年以上前の平安時代の貴族たちは、日本の美意識の重要なモチーフとして認識していたのです。

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仕上げ

ムーブメント

・手作業による面取り研磨
・マイクロブラスト加工を施した切削部分
・摩擦加工および研磨
・3Nレッドゴールドのサムライの鎧は手作業による彫刻、装飾、採色

スチール製パーツ

・マイクロブラスト加工を施した表面
・サテン加工した表面
・手作業による面取り研磨
・上側表面は手作業による摩擦加工
・下側表面はマットライン
・側面の長辺は手書きのライン
・ポリッシュ仕上げが施された溝

歯車

・ダイヤモンドツールによる面取り加工
・環状平滑表面処理
・ロジウムメッキ加工(歯をカットする前)
・歯の形状と性能を維持する為、加工後の処理は最低限に留める

その他の特徴

退却型コハゼ

この仕組みは巻き上げの効率を約20%高め、特にゼンマイの巻き上げをスタートする際に有効です。さらに、主ゼンマイの内部張力をバランスよく分配します。

セントラルインボリュート歯形を採用した香箱の歯車と三番車カナ

セントラルインボリュート歯形による香箱の歯とカナは、最適な圧力角20°を成しています。これにより回転効率が向上し、輪列の歯のかみ合わせの偏差を防ぐことが出来ます。結果、トルクの伝達を安定させ、精度が大幅に向上します。

グレード5チタン製のスプラインネジを用いたブリッジ

組み立ての際にネジに最適なトルクを与えることが可能です。そのため、このネジは度重なる組み立てや分解による影響を軽減し、経年劣化も防ぎます。

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