情熱を燃やし、限界を超え、比類なき技術力とスポーツ性能を発揮してゴールを目指す!これはリシャール・ミルと2年に1度開催される伝説のル・マン クラシックが、2002年にタッグを組んで以来共有する共通点のほんの一部にすぎません。
リシャール・ミルの自動車界への関わりは、とても強いものです。サーキットへの大きな貢献、チームやドライバー、そして特にこの競技に加わる女性へのサポート等によって、その始まりから常にル・マン クラシックに関わってきたことはブランドとして、ごく自然のことでした。2008年からは毎度、大会に関連したカラーを採用した特別な時計を発表してきました。今回の時計も例外ではありません。
RM 30-01 オートマティック デクラッチャブル・ローター Le Mans Classic
スケルトン加工を施した自動巻きムーブメント、時・分・秒表示、オーバーサイズ日付表示、ファンクションセレクター、巻き上げ表示、パワーリザーブインジケーター、デクラッチャブル可変慣性モーメントローター
150本の限定エディション
約55時間(± 10%)。
地板とブリッジの素材はグレード5のチタンで、これは生体適合性と耐食性に優れた極めて硬い合金であるため、輪列がスムーズに作動します。 合金の組成は、チタンが90%、アルミニウムが6%、バナジウムが4%。 この組成によって素材の機械特性がさらに強化されるため、航空宇宙産業や航空産業、自動車産業でこの合金がよく使用されています。 キャリバー RMAR2の地板は、軽量化と耐久性を最良のバランスで両立できるように設計されています。
スケルトン加工を施した地板とブリッジは、個々に徹底した検証テストを経て、最高の強度条件を満たしています。
2時の位置に配置され、時輪によって駆動されます。
伝説的な耐久レースのスタート時刻にちなんで、「16」の数字はグリーンで強調されています。
デクラッチャブル可変慣性モーメントローター
自動巻き時計の巻き上げは、動きに応じて回転する小さなローターによって行われます。このローターの回転運動が巻き上げ香箱にエネルギーを供給し、完全に巻き上げられると最適な張力に達します。それ以降は、巻き過ぎによる過剰な張力が発生しやすくなるため、これを避ける必要があります。そのため、従来はスライディングフランジを使用してゼンマイを滑らせ、ムーブメントの巻き過ぎを防いでいました。しかし、この伝統的なシステムでは、特に運動量の多い方の使用において、フランジが長時間に渡って香箱の内側にブレーキをかけるため、内部にゴミが溜まってしまいます。
その結果、計時性能に大きな支障をきたすことになります。このような悪影響を避けるため、リシャール・ミル独自のデクラッチャブルローターは、ゼンマイが完全に巻き上げられると同時に、香箱がローターの巻き上げ機構から自動的に切り離されます。さらに、この機構はパワーリザーブ表示と連動し、最適な巻き上げ制御を行います。こうしてムーブメントと調速機構はトルク/パワーのバランスを最適に保った状態で機能し、理想的な計時性能を発揮します。
ローターの技術仕様
・グレード5チタン製のセントラルフランジ
・重金属のウェイトセグメント
・グレード5チタン製のネジにより5つのポジションを調整できるウェイト
・18Kホワイトゴールドウィング
・セラミックス製ボールベアリング
・単方向回転、反時計方向巻き上げ防止
オーバーサイズ日付表示
ほぼ瞬時に日付の切り替わり。4時位置に水平に表示されます。
ファンクションセレクター
車のギアボックスのように、2時位置に設置されたプッシュボタンを操作することで、巻き上げ、日付、時刻合わせのいずれかの機能を選択することができ、選択された機能は3時位置の針で表示されています。
ムーブメントの特徴
ムーブメントサイズ: 31.25 x 29.45 mm
厚さ: 5.41 mm
石数: 38
香箱真: AP 20 スティール製
テンプ:グリュシデュール®製、4アーム型、4個の調整ネジ、慣性モーメント4.8 mg•cm2、リフトアングル 53°
振動数: 28,800振動/時(4 Hz)
ヒゲゼンマイ: エリンバー
耐震装置: インカブロック 908.22.211.100(透明)
ガンギ車の受石: ルビフィックス(透明)
ケース
リシャール・ミルは2008年以来、ル・マン クラシックの開催を記念して、ル・マン クラシックのコーポレートカラーであるグリーンとホワイトを取り入れた10種の特別なタイムピースを発表してきました。150本限定生産のRM 30-01は、2025年に開催される第12回 ル・マン クラシックを記念したもので、ベゼルはチタン製、ミドルケースはグリーンクオーツTPT®製です。グリーンとオレンジの内側のディテール、オーバーサイズのデイト窓を縁取るチェッカーフラッグ、サファイアクリスタルのケースバックにあしらわれた有名なル・マン クラシックのロゴ、そしてレース仕様のグリーンのラバーストラップが、ブランドにとって大切なイベントへのオマージュを込めたこの新作を完成させています。
この時計の設計と製作には、ムーブメント、ケースおよびダイヤルのコンセプトに関する包括的なアプローチが反映されています。 その結果、車台とエンジンが完璧に調和したF1レーシングカーの設計に用いられる分析的な技術を駆使し、すべてが極めて厳密な仕様に合うよう構築されました。
例えば、ケーシングリングは用いず、ムーブメントは、グレード5チタン製ネジで固定したシャシーのマウントラバー(ISO SW)に取り付けます。 このような特徴は、妥協を許さない職人技術の証と言えます。
仕上げ
・地板およびブリッジは手作業で研磨したグレード5チタン製、ウェットサンドブラスト仕上げ、タイタリット®加工
・PVD加工を施した香箱のブリッジ
・艶出しした軸
・アンダーカットを伴うピニオン
・サファイアブラスト加工と手作業による引き抜き加工を施した表面
・面取りとポリッシュ仕上げを施したネジの溝とネジ。丸みのある先端はポリッシュ仕上げ
・手作業による面取りと研磨
・面取りされた歯車にサンドブラスト加工とロジウムメッキ加工(歯をカットする前)
・歯の形状と性能を維持するため、加工後の処理は最低限に留める
その他の特徴
二重香箱システムにより、長期にわたって安定したトルクを供給します。 これは蓄積されたエネルギーを、1つではなく2つの香箱に分けることで実現。歯やベアリング、回転軸の回転数を上げ、磨耗や圧力を軽減するため、結果として長期的な性能向上につながります。
フリースプラングテンプにより、衝撃を受けた場合やムーブメントの組み立てと分解の際に、より高い信頼性がもたらされ、また長期間にわたり優れた計時精度が保証されます。 緩急針はなく、テンプに直接取り付けられている4つの調節可能な小型のウェイトにより、正確で反復可能な調整が可能です。
これにより、組み立ての際にネジの締め付けトルクを最適に制御することができます。 組み立てや分解時にほとんど影響を受けないため、理想的な経年変化が保証されています。