RM 004-V1
キャリバー RM004-V1
手巻きムーブメント、時・分・秒表示、スプリットセコンドクロノグラフ、30分積算計、ファンクションセレクター、パワーリザーブ表示、トルクインジケーター
最も難易度の高い時計カテゴリーであるクロノグラフにおいて、RM 004は新世代デザインの先駆けとなりました。ユニークな性能特性と無類の希少性を誇るその特徴には、堅牢性を備えたF1の機械的な美しさが表現されています。
RM 004のキャリバーを構成する部品の数は383個に上り、そのうち230個が完全にオリジナルのものです。部品の多くは裸眼では見ることさえできません。そのため、部品の管理（寸法が規格に適合しているか）、仕上げ、ポリッシュ仕上げ、組み立て、そして調整という点から見て、極めて複雑なムーブメントとなっています。RM 004には技術的難易度の高い精緻な作業が必要とされます。
地板に採用されているグレード5チタンは、チタン90％、アルミニウム6％、バナジウム4％で構成され、生体適合性、高い耐食性や剛性に優れた合金です。この組成によって素材の機械特性がさらに強化されるため、航空宇宙産業や航空産業、自動車産業でこの合金がよく使われています。
このスプリットセコンド クロノグラフの現代的な構造により、無用な複雑性を避け、ひとつひとつの部品が整然と合理的に配置されています。そして様々な技術的ソリューションによって、各種機能を最大限に活用できるようになっています。
例えば、異なるレバーを制御するコラムホイールの幾何学的な設計について研究を重ね、高性能のクロノグラフに欠かせない特性、すなわちクロノグラフ機構の長期にわたる、完璧で安定した動作や同時作動を実現しました。
また、新世代のスプリットセコンド用部品を開発することにより、軸の摩擦を軽減してエネルギー消費も約50%削減しました。クロノグラフ秒針の針飛び防止と同様に、ここにもスプリットセコンドのアームの動作に重点を置いた研究の成果が表れています。
ムーブメントの組み立ては複雑を極め、作業を行えるだけの知識と経験をもつ時計職人は数えるほどしかいません。RM 004が毎年わずかしか生産されなかったのもそのためです。